白黒先生-二重人格彼氏-
「おや、急いでどこへ行くんですか?」
あまり聞きなれない声に顔を上げる。
「す、すみませんあたし…前ちゃんと見てなくてっ」
わー神谷先生だ!
顔が近い…どうしよ。
「いいんですよ、それより…何か忘れ物ですか?」
「あー、ちょっと…ですね」
ケータイは持ち込み禁止だから言いにくい…。
けど、神谷先生は何もあたしに聞かなかった。
「そうですか。気を付けないとダメですよ?」
そう言いながら神谷先生が栗色の髪を耳にかけた。
あることに気づく。