白黒先生-二重人格彼氏-
「先生って、ピアス空けてるんですね」
「ん…あぁ、これですか? 学校では付けられないですからね…それに、この間失くしてしまいましたし」
耳にかけた髪を元に戻しながら、困ったような笑顔で言った。
ちょっとだけ意外だけど、似合うだろうなぁ…。
てってか、あたしなんか忘れてない!?
ガサゴソとカバンの中を漁っていると、小物入れを発見。
良かった~、先生が落とした(かもしれない)ピアス持ってるの気がついて。
「あ、あの…これ、先生のですよね? この間屋上に落ちてて…」
小物入れをパチンと開けて、小さいピアスを取り出して先生に見せた。
すると先生は驚いた顔になって、ピアスを見た。
「確かに僕のです。ありがとうございます、あなたが拾ってくれてたんですねぇ…感謝してますよ」
「い、いえ…別に」
屈託のない真っ白な笑顔に、急に照れくさくなって先生から目を反らす。