白黒先生-二重人格彼氏-

「どういうつもりだよ、オイ…」

先生に詰め寄られ、後ずさるあたし。

気がつけば、壁と先生に挟まれている。

「だっ…だって、あんた最低じゃないですか! そうやって周りの人…騙して」

「騙してる?」

あたしも負けずに言い返したけど、先生の冷たい笑顔に思わずビクッと動揺してしまう。


「騙されるほうが悪いんだよ」

「なっ…!?」

先生の不敵な笑みには、ぜんぶ見透かされているような気がした。

何が見透かされたのかも分からない。

けれど、ひとつだけ確実。


あたしが『王子様』だって思ってた先生は、とんでもない性悪オトコだったってこと。


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