白黒先生-二重人格彼氏-

「おや、またアナタですか?」

「……………マジで?」

「何がです? 僕のことですか?」

あたしは開いた口がふさがらなかった。

だって、本日二回目の衝突。

しかも同じ人(変態新米教師:神谷)に。

はぁ…あり得ない、ツイテナイ。


「沙耶、ほんとお前ってどんくさいな」

後ろから瑛がケラケラ歩きながらこっちへ来る。

「いや…これはあたしじゃなく、この人のせいでもあるから」

あたしはイヤミっぽくそう言いながら先生を指さす。

すると先生は少し困ったような笑みを浮かべた。

何も知らない人が見たら、すごく人が良さそうだ。

…本当は全然だけど。

「おや…言ってくれますねぇ…」

「ほんとのことじゃん…てか、人前じゃこっちのキャラなんだっ…わっ!?」

あたしが言い終わらないうちに、自分の口が手でふさがれる。

「おっと、無駄なことは言わせません(ニッコリ)」

< 59 / 162 >

この作品をシェア

pagetop