白黒先生-二重人格彼氏-
「おや、またアナタですか?」
「……………マジで?」
「何がです? 僕のことですか?」
あたしは開いた口がふさがらなかった。
だって、本日二回目の衝突。
しかも同じ人(変態新米教師:神谷)に。
はぁ…あり得ない、ツイテナイ。
「沙耶、ほんとお前ってどんくさいな」
後ろから瑛がケラケラ歩きながらこっちへ来る。
「いや…これはあたしじゃなく、この人のせいでもあるから」
あたしはイヤミっぽくそう言いながら先生を指さす。
すると先生は少し困ったような笑みを浮かべた。
何も知らない人が見たら、すごく人が良さそうだ。
…本当は全然だけど。
「おや…言ってくれますねぇ…」
「ほんとのことじゃん…てか、人前じゃこっちのキャラなんだっ…わっ!?」
あたしが言い終わらないうちに、自分の口が手でふさがれる。
「おっと、無駄なことは言わせません(ニッコリ)」