白黒先生-二重人格彼氏-
「………それぐらい見れば分かります。一応、数くらいは数えられますから」
あたしは対抗したわけじゃないけど、冷たく言い放った。
「ていうかお前…分かってると思うけど、瑛にこのことは言うな」
レンズ越しに、鋭い視線が突き刺さる。
あまりにも鋭く冷たくて、思わず目を逸らせてしまった。
ふぅん…誰もいなくなると、コッチの顔になるわけ…か。
腹黒で、口悪くて、冷酷な『黒』の顔に。
…ほんと、さっきまでずっとニコニコしてた王子様は何処!?
「…どうせ…言ったとしても信じてもらえないだろうし、第一、あたしが言ったら…先生に何されるか分かんないし」
「…分かってんじゃん? …確かに、今度はキスぐらいじゃ済まないだろうなぁ」
そう言って不敵な笑みを浮かべた先生。