白黒先生-二重人格彼氏-
あぁ…この人、そうか。
変態なんだ。(分かってたけど)
先生なんか放っておいて、あたしは自分の家に向かってすたすたと歩いて行く。
「おい、何勝手に一人で帰り始めてんだよ」
「…先生と一緒に帰る決まりはないです」
振り向かず、前を向いたまま言った。
すると、意外にも先生は何も言い返してこなかった。
あれ、おかしいな。
表紙抜けだ。
「くっく…先生、ねェ」
後ろでボソリと呟く声が聞こえる。
それも、笑いを押し殺したように。