白黒先生-二重人格彼氏-
「じゃ、さようなら」
「おーもう家か。てか、お隣サンなんだし仲良くしてくれな、倉橋サン♪」
「……………」
『倉橋サン♪』と言いながらニッコリ笑いかける先生を受け流して、あたしは自分の家のドアを開けた。
「…なんだよ、つれねーな」
先生がボソリと何か言った気がしたけど、よく聞こえなかった。
それに、聞く気も無かった。
これっぽっちもね。
玄関に入って、頭を抱える。
「だぁああ───っ!! もうワケ分かんない! なんであいつよりによって隣!?」
髪の毛がクシャクシャになる。
「しかも全然キスの理由も聞く余裕ないし! 瑛の前でもあの調子だし!」
もう、疑問や不満が多すぎて、解決する気も起きなかった。