白黒先生-二重人格彼氏-
瑛は眉間に皺をよせて、露骨にフキゲンな顔をした。
「ちょっと待って」
いきなり唯が両手を広げて、会話に乱入。
「今の話聞いてると…あんた、神谷先生と一緒に帰ってんの?」
唯が顔の周りにハテナマークをこれでもかと浮かべて言った。
あたしは冷や汗が出そうな気持ちになりながら、説明する。
誤解されちゃマズイ。
「違う、違うの! ぐーぜん、家が隣になっちゃったの!」
「隣──!?」
いつも冷静な唯が、驚きを隠せない様子。
「いや…偶然、ね」
あたしが苦笑いしながら言うと、唯は呆れたようにため息をついた。
「あんたねぇ、ちょっとは嬉しそうにしなさいよ。神谷先生の家知ってるなんて…学校中の女子から羨ましがられるのに」
そ…そうかもしれないけど(本性を知らない人にとっては)。
あの男が隣に住んでるってだけで、嫌気が…。