白黒先生-二重人格彼氏-

『せんせー、先生の家遊びに行ってもいいですかっ?』

「いやぁ…先生、引っ越してきたばかりで片付いてないんですよ」

聞き覚えのある声が人だかりの中心から聞こえてきた。

あぁ、やっぱり予想は当たっていた…。

どこかのアイドル並みの人だかりを作った犯人は、他でもない神谷先生だ。


「先生、かなりモテてるわね」

「…だね。すごい人だかり…」

「ま、大和はイケメンだからな! 俺の次に」

人だかりを避けて、何事もなかったかのように通り過ぎよう、うん。

あたしには関係ないし。

そう決心して、唯と瑛と、その人ごみを通り過ぎようとしたとき。


「あっ、倉橋さんっ!」

あたしはいきなり名前を呼ばれて、ビクッと反応する。

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