白黒先生-二重人格彼氏-

どうしよう、目が離せない。

まだ話したことも、目が合ったことも、名前も知らないこの人に、なぜか惹かれていく。

自分の顔が熱くなるのが分かる。

「すぅ…んん……」

突然、眠っていた男が唸りながら寝がえりをうとうとした。
あたしはビクッと動揺する。

わっ…どうしようどうしようっ!?

今更ながら、自分が寝顔を見つめるなんて変態ちっくな真似をしていたと気づく。
込み上げてくる羞恥心。

あ、あたし何てことしてたの──!?

反省と後悔の渦に巻き込まれたあたし。
しゃがんで頭を抱え込む。

< 8 / 162 >

この作品をシェア

pagetop