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感じた嫌な予感は、今日的中する。
―ザーッ
雨が大きな音を立てて、激しく降り続く中、教室はそんな外の情景など見事に無視をして七夕祭の出し物について盛り上がっていた。
騒がしい中、千佳君が退屈そうに呟く。
「なんでこの学校は、国のイベントまで学校行事に加えてるんだよ」
「イベントが好きなんじゃないかな」
出し物といっても、文化祭のように自由に案が出せるわけじゃない。
出来るのは、占い程度のものだ。
資金なんて、ほぼゼロに近いから何クラスか合併して催す。
「無利益のフリマなんて、フリマじゃねぇ」
「…だから、どう発展させるか悩んでるんじゃないかな」
学校側には無利益。
学校にある物をフル活用しないといけない。
これが七夕祭のルール。
「無理だろ。皆、金好きだぜ?」
「…でも、皆張り切ってるよ」
確かに、このクラスはお金好きが多い。
だから最初は乗り気じゃないかと心配したが、どうやら楽しめそうなものは徹底的に楽しむタイプの人達らしかった。
「じゃあ、宝探しでいいですか?」
取り決め役の人が声をあげる。
どうやら、催し物が決定したらしい。
「宝探し?」
話を聞いていなかったため、ついて行けない。
宝探しをして、どうやってフリマに辿り着くのだろう。
「あぁ。ある特定の場所で、宝探しをしてもらって、宝物のポイントで交換できる物が変わるんだ」
話について行けていない私達に取り決め役の人が説明をしてくれる。
それを聞いた千佳君は少し驚き気味に、感心したように呟いた。
「案外、まともだな」
一体千佳君はどんなのを想像していたのか。
絶対にろくなのではないのだろう事だけは理解できた。