like or love
「再度告白、なんて迷惑極まりないだろ」
溜息を吐いて項垂れる。
何が悲しくて、自分を振った相手にもう一度告白をしなくてはいけないのだ。相手がまだ自分を好いていてくれているならまだしも。
「そうか?別れた原因は久野だろ?」
「…。…多分」
「なら、まだお前のこと何処かで想っている可能性だってあるだろ」
自由時間を結局コイツと回りながら、メインイベントについて話している。
利用できるもの、チャンスは使うのがコイツの主義だ。おそらく、この七夕祭のメインイベントをフルに活用する気だろう。
しかし、納得いかない。
「もし、そうだとしても、告白なんかできねぇよ」
「なんで?」
「だって、ホントに好きだったら振ったりしないだろ」
ホントに好いていてくれたなら、振ったりしないで頑張るだろうに。
しかし、和泉にはそれが無かった。つまりはホントに好いていてくれたわけじゃないんだろう。
だったら、もう一度付き合ったとしても同じ事の繰り返しだ。
少し、重い気持ちになりながらも校舎を回る。
どのクラスも似たり寄ったりだが、やはり所々違っていて、合併したクラスの個性が見られる。
「好きだから、耐えられないことだってあるんだろ」
「…。」
「本気だから、ホントに想っているから耐えきれなくて、一緒にいたくなくなったりするんだろ、バカ由貴」
溜息混じりの言葉は、嘲笑うかのように鋭く現実味を帯びていて。
「あぁ…」
返す言葉が見付からず、曖昧な返事をした途端に苦しくなった。