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7月の夏休み
陽射しが熱い。
じりじりと肌を焦がす南中済みの太陽が燦々と輝く。
あぁ、焼けるなこれ。
「どうした和泉、暑さにやられた?」
「大丈夫。…それにしても皆元気だよね」
学校のある街から離れてやって来た海にクラスメイト達ははしゃぎ回っている。
水が反射して煌めく。
眩しいと思って、でも目を離せなかった。
「楽しいことが大好物だからな」
「千佳君は違うよね」
「和泉よりマシ」
暗にもっと楽しめと言われる。
でも、しかし、勿体ない。
青いはずの海から離れた水滴はあんなにも透明で鮮明に煌々としている。
(綺麗、だな…)
「和泉?」
「…え、」
声を掛けられてはっとした。
軽く身を乗り出して右腕を海に向けて伸ばしている自分。
「…。」
「…。……。」
「…。………あ、はは」
「いや笑って誤魔化せる範囲外だから」
呆れたように笑って、それからタオルが投げられる。
あ、千佳君のニオイ。思った私は変態だと今なら断言できる。
なのに気づけない。
(ニオイは直ぐにわかったのに、)