エ ン キ ョ リ カ タ 想 イ
ハ ジマ リ
光
「愛葉!見てあの人っ!かっこよくない!?」
その言葉が
あたしの
人生の中での
大恋愛の
始まりやった。
「愛葉!見てあの人っ!かっこよくない!?」
「えーほんまにぃ?」
親友の妃奈の好みとあたしの好みは違うみたいで、あんまり話は合わへん。
怪訝そうな顔をわざとして、指差す方を見てみた。
…………
…………
……………かっこいい。
一瞬で、目を奪われた。
めちゃくちゃかっこよくて、笑顔が優しくて…教育実習生なのか、スーツを着た大学生くらいの人。
こんなかっこいい教育実習生うちの学校に来てたんや…
「愛葉?」
「…え、はいっ」
妃奈の言葉で我に返る。
あたし、見とれてた…?
妃奈がニヤニヤしながらあたしの顔を見てる。
「ん?妃奈、何ー!?」
「あーゆう顔あたし嫌いやけど、愛葉好きかなーとか思ってかっこいいってゆーてみたっ。どう!?」
妃奈の言葉に顔が熱くなる。
「え、惚れたっ!?」
「違う違うっ!!…あたし性格重視やし、まだわからへんよ。気になる程度…かなあ?」
「そうかあっ。じゃあねー…放課後あいつに会いに行こ!」
「ええ!?」
それは、日射しがきつくなってきた5月の終わり、教育実習生が来た日のことでした。