死神の女

静かな部屋




雨も止み、雲が一つもない空…



暖かいこの日…



また一人、魂を刈られる人がいる…



一軒家の窓の中から、綺麗な歌声が聞こえる…



死神の女は静かに、その歌を歌っている老婆を隣で見ていた。



その老婆は病死と言うよりも餓死と言っても良いくらいに痩せていた。



後数分でこの老婆は女の手によって死ぬ…



そんなとき女は不思議に思っていた。



何故この老婆は私が見えているはずなのに…
私が死神だとわかっているはずなのに…
どうして逃げも隠れもしないでのん気に歌など歌っているのだ…



自分の死を受け止めているのか?




「私は後どのくらい生きていられるの?」



知らない内に歌い終わっていた老婆が話しかけてきた。



「後数秒だな…」



女は老婆のしてきた質問に答えてやった。



数秒たった今…
女の手にはまた大きな鎌が握られている。




それを見た老婆はそっと瞳を閉じた…
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