血の果て



こんな時は酒だ。
酒に飲まれよう。


徐に立ち上がると、腹の虫が騒ぐ。

俺はなんて健康的なんだ。


こんな時でも正常に働く己の臓器に呆れた。





俺の動きをいちいち目で追いながら、老体は落ち着き無く身を挙動させる。


「アンタ腹は?」

「え…‥?」

「空かないのか、腹」


空いたとは言えないだろう。
『トイレ』の一言が言えなかったくらいだ。



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