血の果て



こんなに晴れているのに、天気予報は午後からの雨を告げる。


  女心と秋の空


ふと、そんな言葉が頭を霞めた。


雨───憂鬱な気分に拍車が掛るのは目に見えていた。


「恭一」


リビングのドアが開くなり、リカの声が飛込む。



< 131 / 316 >

この作品をシェア

pagetop