血の果て



視点の定まらないような窪んだ瞳で、さっきまでの俺のようにテレビを眺めている。


コイツの頭の中は何を考えているんだろう。

とりあえずの生息地を見付け、暖かな空間で幸せでも感じているのだろうか。

その皺に、そのシミに、どんな人生があったのか、俺は知らない。



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