血の果て



「きょうチャンが一緒に住むの?」


この時、美沙緒はまだ中学2年生。
長い睫を瞬かせ、久しぶりに会う従兄弟の俺を見た。


「美沙緒も弟が出来たみたいで良いだろ?」


思春期の我が娘に、伯父は目がしらを下げる。

高1の誠、そして美沙緒や伯母に向けられた、精一杯の気遣いで。



< 147 / 316 >

この作品をシェア

pagetop