血の果て



それが何を意味するのか、幼児の俺でも悟った。

お椀で顔を隠すようにしていても、瞳だけが俺を見据えていたし。


「恭一、遠慮しなくて良いんだぞ。男の子なんだから、いっぱい食え」


伯父の優しさに答えた言葉は「ありがとう」では無く「ごちそうさま」。



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