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血の果て
150ページ
血の果て
時折、美沙緒がそんな俺に同情し、おにぎりを部屋まで届けてくれた。
「海苔が無かったから塩むすびだけどね」
味よりも何よりも、温かい真っ白なおにぎりが美沙緒の気持ちを伝えた。
「かあさん、いつ帰って来るのかなぁ」
小学校へ行きだして間もない頃、たまらず美沙緒に聞いてみた。
塩むすびの味を頬張りながら、あの頃の俺はまだ恋しい人の帰りを待ち詫びていたのだ。
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