血の果て



「オレ、お前の親父の事知ってるぜ」


小学5年生の時。

既にこの時には成人していた誠が、ある日俺に語り出した。


「親父?」

「そうさ」


母親と言う存在に捨てられた俺は、特別親父の存在なんて知りたいとも思わなかった。

知ったところで、何が変わるわけでも無いだろうし。

【居ない】と言う事は何にしろ、良い結果では無いだろうし。

幼少の頃から身に付いた諦めと言う物だった。



< 155 / 316 >

この作品をシェア

pagetop