血の果て



「年金、幾ら貰ってるんだ?」

「‥‥」


蚊の鳴くような声でぼそりと答える。


「え?」

「…‥貰って無い…‥」


ぐらっと部屋が傾いたのが解った。
こう言うのを《目眩》と言うのだろう。


「も、貰って無いって?」

「掛けて無かったから…‥」

「じゃあ、今までどうやって生活してたんだよ!?」


思わず声がでかくなる。



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