血の果て



「おはようございます」


タイムカードを打つと、今年入社したばかりの金本がご機嫌で挨拶する。


「先輩、雨上がって良かったっすね」


晴れやかな笑顔が、わけもなくムカツク。


「あぁ…‥」


それだけ言うと、俺は自分のデスクに鞄を重たげに置き、パソコンの電源を入れた。



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