血の果て



「郷原さんはお昼、行かないんですか?」

「うーん。なんだか減らなくて」

「コーヒーの飲み過ぎで、胃がおかしくなってるんじゃ無いんですか?」

「かも知れないね。…‥小笠原さんは?」

「私は今日はお弁当です」

「へぇ。自分で作ったの?」

「当たり前ですよ。良い年して、親になんか入れてもらいませんよ」


鴾色の頬が初々しい。

彼女がこんな表情をするなんて、知らなかった。



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