血の果て



「災難続きですな」


もうすっかり、顔馴染みになってしまったあのお巡りが、肩を落とす俺に呟く。


「どうやら鍵は開いていたようですな。
───お母さん、閉めずに出たんでしょう」


こじあけた形跡が無いと、ドアの検査結果を伝えるお巡り。

言われ無くても解っている。



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