血の果て



どこか具合でも悪いのか。

昨日の怪我が痛むのか、俺は布団を蹴り上げながら、彼女に近付いた─────その時。







ぐしょりと濡れる足。



 ───やられた。



不思議と、もう怒りも込み上げてこなかった。


「…‥もういいから───そんなにビビるなよ…‥」


力無く布団を上げた。



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