血の果て



悔しいのはこの指先。

まだタッチを覚えている。

もう必要では無いのに。


DVDに必要な事項をインストールさせると、彼女の前に差し出す。


「これで解るはずだから」


受け取る彼女の指先が細く艶かしくて、忘れかけていた女を感じさせた。



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