血の果て



「母さん…‥俺、母さんが大好きだったんだ」


何処かでタイヤの音に紛れて、クラクションが激しく耳をつんざく。


「母さんの膝の上でうたた寝するのが好きでさ」


星の無い空に唯一見える、折れそうな月を眺めていた。



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