血の果て



───…‥





   昭和55年
   7月12日

  午前9時36分






暑い、暑い日。


昨夜からの長い陣痛。


味わった事の無い痛みと、寂しさや孤独とも戦う。




   もう嫌だ



何度そう思った事か。


手の平に食い込んだ爪の痛さなんか、もう全く感じなかった。



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