血の果て



が。

付いて来る気配が無く、後ろを振り向いた。



何やってんだ?



車の中、左に屈むように、何かをしている。

苛立つ足取りで、助手席側のドアを開けた。


「何やってんだよッ」

「こ、コレが───」


シートベルトも外せ無いのか?


「そこ、その赤いとこ押すんだよ」


やけに白い指が、もたつきながら指示を無視して動く。



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