血の果て



リカはコンロのスイッチを切ると、嬉しそうにキッチンから駆け寄る。

ふと、午前中に見た彼女の試着したウエディングドレス姿が蘇る。

綺麗だった。
とても。


「ネェ?」

「あ、アア‥‥」

「伯父さんって本当に良い人ね」


そうかな?
たぶん、悪い人間じゃ無いが、今の俺には良い人にも思え無い。



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