血の果て


「何だったの?」


濡れた髪をタオルで掻き上げ、リカが風呂上がりの粒子を振り撒きながら言う。


「何か話しが有るから明日来いってさ」

「明日ぁ!? 明日は午前中、式の打ち合わせしてその後、映画…‥」

「解ってるよ。だから俺も断ったんだよ」

「じゃ、行かないのね?」

「───…‥否」

「断って無いじゃないッ!」


その怒りが目に見えていたから断ったのに、結局コレだ。

情無く俺は肩を落とした。
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