血の果て



帰って来た時の、あの旨そうな匂いも消え、彼女の優しさも消え。

これ以上、この部屋から何が無くなるんだろう。


「恭一」


またリカが口火を切る。


「良い機会だらか言っておくけど」


良い機会?

この場に『良い』なんて言葉が言えるってのは、きっと最悪の話しなんだろう。



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