血の果て



「それなら私は、誰の老後を看る事も無い。
背負わなくて良い。
そう思ったから結婚に踏み切ったのよ」

「惚れて───愛してるから、結婚しようと思たんじゃなかったのか?」

「確かにそれも有るけど」

「けど?」

「そんな感情を、何十年も持ち続けられる人が居ると思う?」


少なくとも、俺はその一人のつもりだ。


「何にしろ私は嫌よ」











哀れなのは誰だろう?
< 77 / 316 >

この作品をシェア

pagetop