血の果て



心がミシミシたわむ。

俺の中の何かが、熱い物を鈍く刺す。


「クソッ」


鼻の奥がツンと痛く感じるのを堪え、瞼をぐっと閉じた。


感情なんかいらない。


重い鞄の中にそれを押し込めるように、そのまま鞄を持ち上げ奴の側に放り投げた。


「自分で出せよ」


言われるがまま老婆は、こくり、かしらを縦にして着替えを取り出した。



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