血の果て



暫くして、勢いの良い水音を耳で確かめながら、そのままドアにもたれ、時を待つ。

眼間、リカが居る部屋のドアを見詰めながら。


「リカ…‥」


声を掛けようかどうか。
迷った挙句、俺はドアの外から声を掛けた。


「今、風呂に入らせてる」

「‥‥」

「寝てるのか?」

「───寝れるわけ無いでしょッ!」


そんな怒鳴り声でも、返事をしてくれた事に安心した。



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