昼の眼鏡は夜の華
『小春ちゃん。』
小春が車の近くまで来ると、自ら車を降りて来た。
『この人…』
アイは目を真ん丸にして、優さんを見上げ
ている。
『えー…っとぉ、
『めっちゃイケメンだし。』
必死にごまかす言葉を考えていた小春に
予想外の言葉が飛んでくる。
『は?』
…ま、まぁ、確かに。
言われてみて、
改めて優さんを下から上まで眺める。
端正な顔立ち。
スラリと長い足。
しかも今日は普段のスーツじゃなく
ニットにジーパンとカジュアルで、
いつもよりどこか若々しく見える。
『小春、知り合いなん?』
『…。』
興味津々な瞳。直視できないっ
答えに戸惑っていた小春に
見兼ねた様子で優が割入ってくる。
『花川さんの遠い親戚です。』
小春の肩に優の手が置かれる。
『そーなんだ〜いーなー。』
『そ、そーそー、そーゆー事だから
先に帰るね!じゃ。』
別れを惜しむアイを尻目に、さっさと車に乗り込んだ。
いち早くここから逃げ出したい。
小春はそう思った。