昼の眼鏡は夜の華
安心したのもつかの間、


優さんは、覗き込んだまま、
そのまま私の顔を見つめている。


顔が近い上に真剣な眼差し。

…えっと…

『私の顔に何か付いてますか?』


小春は恐る恐る聞いたのに、
國崎の答えは呆気なかった。



『いやぁ、眼鏡…』


そんなに眼鏡が珍しいのか…。

確か優さんに眼鏡姿を見せたのは今日が初めてだ。


途端、ポツリと一言。
『…よく似合う』

『え。』

小春は、顔が熱くなっていくのを感じた。


いつも聞き慣れた褒め言葉より、何倍も嬉しかった気がする…


『っん…』

急に染まった頬をなぞるようにして、優さんのしなやかで長い指が触れる。


…恥ずかしいんですけどっ…

接近してくる顔に堪らず目をつむる小春。



『照れてる?』

優さんが耳元で囁くと、小春の耳に甘い声と、温かい吐息がかかる。


…っ


『照れて…な、いデス。』





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