昼の眼鏡は夜の華
二人


あれから数日後の夜。

小雪は一人の男性に指名を受けた。


國崎 優

歳は20後半から30前半
黒く長い髪に、切れ長の瞳。
端正な顔立ちをしていて、
いつも黒のスーツを来て来店する。


小雪の『お得意様』だ。


お得意様とは言葉だけで、
小雪にとって國崎は
他の客よりも話した事は無いし、さほど盛り上がることも無い。


『久しぶりですね。』

『仕事が片付かなくて。』

そう言って煙管を取り出す優に
すかさず火を渡す。


煙管が短くなった時、小雪は口を開いた。

『今日は飲まれないんですか?』

溜息のように紫煙を吐き出す口からは、
先程の質問とは少し外れた解答が返って来た
『アフター、入れても良いかな?』

『えぇ。勿論です。』






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