昼の眼鏡は夜の華
小雪は、いつもより上機嫌でメイク室に戻った。
『なんか良い事あったん?
小雪ちゃん。』
げ…ミキ。
小雪よりも一年先輩。
20でこの世界に入ったらしいけど、
17で入った小雪をどこか敵視している。
今も私が浮かれていることが気に障ったのだろう。
『いや、別に何も。』
悟られないように、顔を真面目にする。
『國崎さんがついてるからって油断せんことね。』
どうやら
國崎との会話を聞いていたみたいだ。
ミキは小雪をキッと睨むと、
くるりと部屋を出ていった。
『…忠告?』