昼の眼鏡は夜の華
いつもより話が進み、
二人共程よくお酒がまわってきた。
『國崎さんてモテるでしょう?』
『優でいいよ…全然。』
『じゃあ…優さんで。
彼女、沢山いそうですけどね。』
小雪は焼酎を注ぎながら、意地悪そうな笑みを浮かべた。
『残念だけど。
そんなに軽い男じゃぁないよ。』
國崎はそれをクイと飲み干すと
応えるように笑って続けた。
『半年も見つめ続けた女の子を
居酒屋に連れ出すのがやっと。』
それはいつもの如く、余裕のある口ぶり。
だけどいつしか、
細長く、深い色の瞳は私の顔を捕らえていた。
『まぁ、上手いこと言いますね。』
小雪は少し焦ったが、直ぐに目を反らした
このまま見つめ合うなんておそろしい。
真っすぐな視線はどこまでも見透かしてしまいそうで。