apricot
「じゃあ、俺帰るわ。」
俺が立ち上がると、二人はじゃれあいをやめてこっちを見た。
「まだいいじゃねぇか。」
「そうですよー。」
「せっかく二人で待ち合わせしてたんだろ?邪魔しちゃわりぃからさ。
じゃあ、アイミちゃん。またね。」
アイミちゃんが秀二の話をするとき
確かにキラキラとするものが見えた気がしたんだ。
そして、秀二をキラキラさせてるのは
間違いなく
アイミちゃんなんだ。
「秀二。またな。」
切ないけど、妙に甘い失恋は
俺を少しだけ大人にした。
親友の幸せを喜べることは
好きな女を手に入れるより
難しくて
だけど、幸せなんだと気づけたから。
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