apricot
「女の子なのにブラックコーヒーってカッコイイね。」
目の前に座っていた、上田さんが
微笑みながら話しかけてきた。
「甘いの好きじゃないんです。」
「へぇ。アイミちゃんとは真逆だね。」
「そうですね。」
アイミとは逆。
つまり、ふわふわした天使みたいなアイミと逆なあたしは
ツンツンした悪魔ってとこ?
変人の秀二先輩の友達の言う事なんか、別に気にしないけど。
「…よく知りもしないで、人を見下すってあんまりいいことじゃないと思うよ。」
上田さんは、突然、氷のような冷たい目で
私にそう言ってから席を立った。
背筋が凍りそうなほど、冷たい何かが胸を通り過ぎる。
さすが、変人の友達。