apricot
アイミが驚きと戸惑いの表情で、アタシを見てる。
「大丈夫?こぼれてない?」
そう言いながら、バッグを漁ってかわいいハンカチを差し出した。
その指に、アイミの趣味にしてはシンプルすぎる指輪が光った。
「あんたの彼氏の話とか、ぶっちゃけどーだっていいんだよ。
わざとらしいブリッコも、もうたくさん。
あんたの彼氏もその友達も、あんただって、いい加減キモイ。」
どうしてそんな言葉がでてきたのか
自分でもよく分からなかった。
「…ごめん。」
私はアイミの顔が見れないまま
店を出た。