かなこの木
私に掴まれたせいで青年は少しよろけながらアタフタした。


「待て待て!!危ないってほうきから落ちた方が危ないだろ!!」



ほうき…?



よくよく、冷静に見ると、青年はマンガでしか見たことの無いようなほうきに跨がっていた。



「空…飛べるの…?」


不思議そうな顔で返事をする青年。


「あっ…あぁ。当たり前だろ?魔法使いなんだし」


私は目を丸くして、口をパクパクさせながら、大袈裟なジェスチャーをした。




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