かなこの木
「えっ!?お前、魔法を知らないのかよ!?」

知ってるよ…絵本や童話に出て来る…あれでしょ。

「まじで知らないんだ。すげぇ〜…」



ビックリする私をもっと興味深げに見る青年は、逆光も解消されて今は顔がハッキリ見える。



ほんのり焦げ茶色の髪に同じ色の切れ長な瞳、鼻筋は通っていて、少し日焼けをしたような肌だった。




「おぉ〜い」


青年は私の顔の前に手をかざしてユラユラして見せた。


「あっ…ごめんなさい。魔法って物語の中でしか見た事なかったから…」

「……えーーっ!?」



驚いた青年に驚いた。




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