一音入魂!
待って。
落ち着くのよ、鈴木凛子16歳。
宏夢さんを愛しすぎて妄想と現実の区別がつかなくなっているに違いないわ。
だってありえないもの。
まず宏夢さんが私を呼び出す理由がない。
そりゃ、私の中ではすでに二人はむふふな関係だけどそれはあくまでも私の中だけのことであって現実はもちろん違う。
彼の後ろ姿や隠し撮りの写真を眺めて桃色の吐息を吐き出すのは私の方であり、宏夢さんは私の存在すら知らないはずなのだ。
ではたったいま私が見たメガネ男子は誰なのだろうか?