その絵に。
毎年この時期に行われる学校行事の一つの写生大会。
全校生徒で丸一日を使って風景画を仕上げ、提出する。
それ以外は自由。
仲のいい友達数人と行動をともにする。
「クミ、行くよ。」
そうマイコに言われて一緒に学校から出てゆく。
たくさんの生徒の中から私は彼を探す。
いた。
いつも見てるからすぐ見つけた。
クラスが違うからこんなに傍に近付ける機会はないし、彼が絵を描いている姿が見れる。
そう思った私は人込みに紛れながら彼の後ろ姿を追いかける。
「ちょっと、まってよ。」
マイコが声をかけてきた。
「クミ、まじでやるの?」
「うん。私なりの方法で気持ちを伝えたい。」
「…私が言い出したことだし、仕方がないな。」
マイコには事前に話した。冗談程度に聞いていたけど私の真剣な顔を見て。
「それ、面白い。」
と一言。
ある程度歩いて、彼は友達と場所を決めたらしく、腰を下ろした。
私は彼から少し離れた場所に座った。彼の後ろ姿が見える場所。
風に揺れる草や花。
一緒に揺れるように座っている彼の後ろ姿が私の目には、そのまま風景に溶け込んでしまいそうに見えた。
彼の隣に、少しでも近づきたいけど…。
今は、まだムリ。
全校生徒で丸一日を使って風景画を仕上げ、提出する。
それ以外は自由。
仲のいい友達数人と行動をともにする。
「クミ、行くよ。」
そうマイコに言われて一緒に学校から出てゆく。
たくさんの生徒の中から私は彼を探す。
いた。
いつも見てるからすぐ見つけた。
クラスが違うからこんなに傍に近付ける機会はないし、彼が絵を描いている姿が見れる。
そう思った私は人込みに紛れながら彼の後ろ姿を追いかける。
「ちょっと、まってよ。」
マイコが声をかけてきた。
「クミ、まじでやるの?」
「うん。私なりの方法で気持ちを伝えたい。」
「…私が言い出したことだし、仕方がないな。」
マイコには事前に話した。冗談程度に聞いていたけど私の真剣な顔を見て。
「それ、面白い。」
と一言。
ある程度歩いて、彼は友達と場所を決めたらしく、腰を下ろした。
私は彼から少し離れた場所に座った。彼の後ろ姿が見える場所。
風に揺れる草や花。
一緒に揺れるように座っている彼の後ろ姿が私の目には、そのまま風景に溶け込んでしまいそうに見えた。
彼の隣に、少しでも近づきたいけど…。
今は、まだムリ。