その絵に。
気になる。
「クミ帰ろう。」
静かな美術室に響く声。
「分かった!
ごめんね。ちょっと待ってて。」
私はその絵を元の場所に戻し、慌てて片付けた。
「ごめん。帰ろ。」
友達のマイコ。
クラスは違うけどいつも一緒に帰る幼なじみ。
陸上やっていて部活が終われば私を誘いに美術室に顔を出す。
二人でたわいもない話をしながら帰る。
絵のこと以外では普通の中学生。
「マイコってさ。松田サトシって知ってる?」
「知ってるけど…
たしか、一年の時同じクラスになった、つ~か陸上部の部長だよ。」
「そうなの?知らなかった。
ねぇ、どんな感じの人?」
「う~ん…。どんなって言われても…。なんかボッ~としてるよ。」
「なにそれ。」
「あとすごい天パ。タンポポの種みたい…だから一目見たら分かるよ。」
「絶対分かんないよ~。」
って二人で笑った。
「だけど…突然、どうしたの?」
「ん。絵がね…。」
「はぁ?絵が…?どういう意味?」
「まだ内緒。」
「ただいま~。」
帰宅。それからいつもの様に犬の散歩へ出かけた。
まだ、明るさを保った時間を歩く。
このまだ夜でもない?みたいな時間が好き。
空のなんともいえない色合いが、今日1日の出来事を洗い流しているような気になる。
実は空をじっくり見るために犬の散歩をしてる―なんちゃって。
静かな美術室に響く声。
「分かった!
ごめんね。ちょっと待ってて。」
私はその絵を元の場所に戻し、慌てて片付けた。
「ごめん。帰ろ。」
友達のマイコ。
クラスは違うけどいつも一緒に帰る幼なじみ。
陸上やっていて部活が終われば私を誘いに美術室に顔を出す。
二人でたわいもない話をしながら帰る。
絵のこと以外では普通の中学生。
「マイコってさ。松田サトシって知ってる?」
「知ってるけど…
たしか、一年の時同じクラスになった、つ~か陸上部の部長だよ。」
「そうなの?知らなかった。
ねぇ、どんな感じの人?」
「う~ん…。どんなって言われても…。なんかボッ~としてるよ。」
「なにそれ。」
「あとすごい天パ。タンポポの種みたい…だから一目見たら分かるよ。」
「絶対分かんないよ~。」
って二人で笑った。
「だけど…突然、どうしたの?」
「ん。絵がね…。」
「はぁ?絵が…?どういう意味?」
「まだ内緒。」
「ただいま~。」
帰宅。それからいつもの様に犬の散歩へ出かけた。
まだ、明るさを保った時間を歩く。
このまだ夜でもない?みたいな時間が好き。
空のなんともいえない色合いが、今日1日の出来事を洗い流しているような気になる。
実は空をじっくり見るために犬の散歩をしてる―なんちゃって。